どうやって書くのか?


英文のスタイルの規則

自然な英文のスタイル

文レベル規則の中でもっとも重要なものが、英文のスタイルの規則です。下にこれを図解しました。このスタイルに従い英文を書くことで、シンプルで分かりやすい英文が仕上がります。まずこの規則を徹底的にマスターしましょう。

現代英文のスタイル

この図だけでは、これが何を意味しているのか明確には分からないと思います。下に具体的な例を出し、上のそれぞれの要素を説明しましょう。

具体例

下の日本文が、いまあなたが書かなければならない英文だとします。この日本文はどんな英文になるのでしょうか?

英文で書きたい文章

東京通信ネットワークは先週、国内最大手のIT企業であるネットビズと共同で、北海道でインターネットサービスを提供する新会社を設立すると発表した。

これを英語にするとさほど難しくも無い単純な英文になります。

解答

Tokyo Telecommunication Network announced last week that they would establish a new company with NetBiz, the largest IT company in Japan, to provide Internet services in Hokkaido.

さて、上記の日本文を上の自然なスタイルのフォーマットに当てはめ、それぞれの要素を詳しく解説しましょう。フォーマットの内容が分かりやすくなります。


慣用フレーズ  日本文の語尾にあたるもの

日本文
東京通信ネットワークは先週、〜と発表した。

英文
Tokyo Telecommunication Network announced last week that〜

慣用句はそれほど種類は多くありません。日本語の語尾と同じですからせいぜい50個も覚えてしまえば済んでしまいます。日本語でもそうですが、慣用句によってカジュアルな表現やかしこまった表現かが区別されます。

慣用句はやたらに使うものではなく、日本語同様、書きたい内容に適切なニュアンスを追加するものです。慣用句は単体で用いられるとは限らず、複数の慣用句を結合してニュアンスを調整することもできます。’I’m sure he proposed that’ ‘We believe they announced that’のようなものがそうです。

慣用句には次の三つのパターンが存在します。

1)that節の一般的な慣用句
thatで終わるもの。「that」は省略可

例)
I think (that)」(〜と思う)
I believe (that)(〜と信じる)
It is suggested (that)(〜と提案されている)
It is recommended (that)(〜するように勧められている)

2)文の本体となる慣用表現
それ自体で文を構成してしまうもの。

例)
We have pleasure in +〜ing(〜を謹んで〜いたします)
We are pleased to announce(〜を喜んで〜発表いたします)
We appreciate your +〜ing(〜していただければうれしいです

We are pleased to announce(〜を喜んで〜発表いたします)


3)条件節になるもの
文の条件節になるもの。

例)
According to + 名詞(〜によれば)
In terms of + 名詞(〜の点では)
Regarding + 名詞(〜に関して言えば)
As far as + 名詞is concerned(〜に関する限り)


本体
文のテーマ、主語と動詞と名詞

日本文
彼らは新会社を設立する

英文

they would establish a new company

次に、文の本体があります。内容の中心部で、いわば文のテーマにあたる部分が本体になります。本体ではできるだけ簡単な表現を使うことがルールです。全体としてはかなり複雑な内容の文であっても、本体はI have a pen程度に簡単明瞭に表現します。本体はあくまで内容のテーマを提示することが目的なので、内容の詳しい説明はここで行わないようにしてください。内容の細かな説明は「詳しい説明」の部分で行います。

主語 + 動詞 〜は〜する
I go. I drink. She sleeps. I look. I eat. He plays. I listen. I enjoy. I see. I shout など

主語 + 動詞 + 目的語  〜は〜を〜する
I play music. You eat hamburger. I enjoy golf. He drinks tea. We watch TV.など

主語 + be動詞 + 補語 〜は〜だ There is {are} 〜がある
I’m a boy. You are a nurse. My father is a doctor. She is my fiancee. There is a police box. There are many people.など


詳しい説明
本体の内容の詳しい説明

日本文
ネットビズと共同で、北海道でインターネットサービスを提供する

英文
with NetBiz to provide Internet services in Hokkaido.

詳しい内容の部分は英語を書くときにもっとも重要な部分になります。英語は、内容を一言で要約する日本語とくらべると、ものごとを写実的に細かく説明する言語です。文中では本体で提示されたテーマはこの部分ではじめて詳しく説明されます。日本人にはもっとも苦手な要素かもしれません。

前置詞 + 名詞
時間と期間

位置

関係

by     までに
until(till) 〜まで
for     〜の間
at      〜に
since   〜以来

by 〜のそばに
near 〜の近く
in 〜で(大きな場所)
at 〜で(小さな場所)
to 〜へ

about 〜について
before 〜の前に
after 〜の後に
with 〜と、と一緒に

by eight
until I finish my work
for three years
at seven o’clock
since 1989

by the door
near my house
in Tokyo
at Tokyo station
to Disneyland

about my father
before the class
after work
with my friend


to不定詞 + 動詞 + (名詞)
(〜を)〜するために、(〜を)〜すること

to have lunch to cook dinner to get dressed to find an interesting job to sleep outside to play tennis to have fun to see a movie

動名詞 〜ing
〜をしながら
sleeping eating talking looking having などの〜ing形

副詞
today home tomorrow abroad yesterday outside tonight insideなど前置詞がつかない名詞のようなもの


挿入句
文中の語句を任意に説明する部分

日本文
国内最大手のIT企業である

英文

, the largest IT company in Japan,

挿入句は詳しい説明とならんでもっとも重要なものです。日本語にはありませんので日本人には使いにくいかもしれません。挿入句とは  - -で区切られた文章や節で、主語や目的語を説明する目的で文中の任意の場所に挿入されます。


全体

次に、同じ文章を全部まとめて見てみましょう。上の要素がどの部分にあたるかもっとよく分かります。

日本文
東京通信ネットワークは先週、国内最大手のIT企業であるネットビズと共同で、北海道でインターネットサービスを提供する新会社を設立すると発表した。

英文
Tokyo Telecommunication Network announced last week that they would establish a new company with NetBiz, the largest IT company in Japan, to provide Internet services in Hokkaido.


まとめ

上の例でお分かりいただけたでしょうか?現代の英文は「慣用句 + 本体 + 詳しい説明」の順で書かれ、これに任意に「挿入句」が入って文が完成されます。これがインターネットやビジネス文書、そして英字新聞などでよく見受けられる現代英文の一般的なスタイルとして流通しているものです。このスタイルに忠実に書くことが文レベル規則でもっとも重要な内容になります。

したがって、このことは、英文のライティングは、自分の書きたい日本文のどの部分が「慣用句」でどの部分が「本体」、そして「詳しい説明」、「挿入句」にあたるのか、それぞれの部分の配分をしっかり行うことで自然とスラスラと書けるようになる、ということを意味しています。

また、一見して分かる通り、この基本ツールは文法とはまったく異なるものです。文法とはそれぞれの部分の内部の規則、例えば主語と後にはかならず動詞が来るというような、語と語の結びつきのことを言います。この基本ツールは現代英文の形とスタイルを決めているルールですから、この意味で文レベル規則と呼べると思います。文レベル規則は文法同様に大変に重要です。


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